女性特有の精神的・身体的な悩みに幅広く対応しております。
月経不順、無月経、不正性器出血、月経困難症、過多月経、月経前症候群など月経にまつわる異常は多々あります。昔の女性は多くの子供を産んだため月経の回数は少なかったのですが、現在は少子化に伴い生涯の月経数が格段に増えました。月経回数の多さは子宮や卵巣の病気につながります。これに加えて長時間の労働、不規則な生活や偏った食生活などから月経異常が多くなるとされています。
この解消に低用量ピルが有効とされています。ピルとは、女性ホルモンの成分が含まれた薬剤のこで、ピルを服用することで排卵を抑制し、避妊はもちろんさまざまな月経異常に効果があります。当院ではピル外来として多くの方にご利用していただいています。
緊急避妊薬(モーニングアフターピル)とは性交渉後に飲む薬剤です。性行為のときに、コンドームを使用しなかった、コンドームが破れた、などが原因で避妊に失敗した場合に72時間以内に服用することで妊娠を回避する方法です。72時間以内とはいえなるべく早く服用した方がいいので速やかにご来院くだざい。問診と内科診察で異常なければ処方いたします。
月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもをいいます。情緒不安定、いらいら、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、不眠、のぼせ、食欲不振、めまい、倦怠感、腹痛、頭痛、むくみ、乳房の張り、など様々な症状があります。
治療は、生活習慣の見直し、食生活や仕事の負担軽減など薬によらない治療法から、対症療法という各症状に応じた処方、全般症状改善に対する漢方療法、排卵抑制療法(低用量女性ホルモン療法、LEP)などがあります。症状も個人個人様々なため治療も個別に対応します。
子宮内膜症は子宮内膜に似た組織が卵巣や腹膜などに増殖する疾患で、月経痛や性交痛、月経時の下痢などの症状があり、悪化すると骨盤内の癒着から不妊症の原因となります。10代から月経痛が強い方は注意が必要で20代になり増え始めます。診断は進行例は婦人科診察や超音波検査で可能ですが初期の場合は難しいです。治療には鎮痛剤や漢方療法から行いますが、積極的な低用量女性ホルモン療法(LEP)が進行を抑えると言われ、現在は重要な治療薬として用いられています。
子宮筋腫は子宮にできる筋肉の塊のような良性の腫瘍です。30代から増え始め40代では約40%の女性にみられるといわれます。経血量が増え貧血を併発したり月経困難症を伴うこともあります。大きくなると周りを圧迫して腰痛や排尿障害、不妊や流産の原因となることもあります。
治療には薬物療法と手術療法がありますが、日常生活に支障がない筋腫は経過観察で十分ですので、筋腫があると言われたら定期的に検査を受けるようにしましょう。薬物療法は根治できる治療ではないので進行を抑える抗女性ホルモン療法となります。手術が必要な場合は希望される病院へご紹介します。
性感染症はかゆみ、痛み、分泌物の異常などをもたらし、知らずに放置しておくと、卵管が詰まって不妊症の原因になることがあります。
クラミジア感染症は現在も広く流行しており、症状が現れない無症候性感染者も多くみられるため注意が必要です。少しでもおかしいと思ったら早めに受診しましょう。
更年期の精神的・身体的な悩みの相談にのっております。
下記のような症状にお悩みの方、ぜひご相談ください。
更年期になると卵巣機能の低下により月経周期が崩れて、月経がとんだり、月に2回きたり、ダラダラと不正出血が続くなど不安定になります。更年期に入ったかどうかは、血液中の女性ホルモンの濃度を調べることによって簡単にわかります。ただし、この年代は子宮筋腫や子宮癌の好発年齢でもありますので、不正出血がある場合には、必ず子宮癌検診を含む婦人科検診を受けましょう。
女性ホルモンと自律神経の司令塔は脳の視床下部というところにあり、片方のバランスが崩れると、もう片方のバランスも崩れていきます。更年期になると自律神経も疲労してきて、ほてり(いわゆるホットフラッシュ)、のぼせ、発汗、動悸などの自律神経失調症状が出現してきます。身体の不調は、ホルモンバランスが乱れても、自律神経が失調してもおこります。適切な治療をすれば必ず症状は改善していきますので、お気軽に相談していただきたいと思います。
心と体は密接につながっています。
ホルモンバランスの乱れによって精神的にも落ち込みがちなのが更年期の特徴です。
ホルモン分泌の低下による不調の場合には、ホルモン補充療法(HRT)によって見違えるほど元気になりますが、「仮面鬱病」といって、精神的な悩みが身体症状として現れることもあるので注意が必要です。
精神科や心療内科で処方される抗鬱剤・精神安定剤のなかには月経を止める作用があり、更年期の症状を悪化させることもあるので、「更年期なのかな?」と思ったら、精神科に駆け込む前に相談していただきたいと思います。
当院では、漢方薬、自律神経改善薬、ホルモン補充療法など、患者様の症状に合わせて、さまざまな治療を行っております。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とも密接に関連しているのが高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病です。
更年期になると基礎代謝が低下するため、脂肪を蓄積しやすくなります。
女性ホルモンであるエストロゲンには、善玉コレステロール(HDL)の生産を促し、悪玉コレステロール(LDL)の生産を抑える働きがあります。
更年期にエストロゲンの分泌が低下すると、悪玉コレステロールが血管壁に沈着して動脈硬化をおこし、心筋梗塞や脳梗塞といった心臓血管系の病気のリスクが高まります。当院では生活習慣病の予防・治療および食事指導、運動指導に力を入れております。
骨粗鬆症は閉経後の女性の生活の質 (QOL)を左右する深刻な問題です。
女性ホルモンであるエストロゲンには、骨の吸収を抑えて形成を促す作用があります。
更年期以降にエストロゲンの分泌が低下すると、骨からカルシウムが抜けてスカスカの状態となってしまい、骨折をおこしやすくなります。
特に大腿骨頸部骨折は女性に多く、いったん寝たきりになると、その後の生活の質が著しく低下してしまうので要注意です。
骨粗鬆症はエストロゲン補充療法によって予防や治療が可能で、骨粗鬆症治療薬である活性型ビタミンDを併用すると効果的です。
当院では骨粗鬆症の予防・治療および食事指導・運動指導に力を入れております。
次のような、思春期に特有の症状にも応対しております。
「失恋したので、やせて見返したい」「友だちからデブと言われた」「モデルのような体型になりたい」など、思春期の子供はふとしたことから太ることに嫌悪感を覚え、異常な「やせ願望」を抱き、拒食症に陥ることがあります。
思春期は体の土台ができる大切な時期です。過度なダイエットをして体脂肪が17%を切ると、ホルモンのバランスが崩れて月経が止まってしまいます。
異常な「やせ願望」があって体重が極端に少ない場合には、心療内科の受診をお勧めしております。
拒食症とは対照的に、旺盛な食欲をコントロールできなくなる病気です。
過食症と拒食症を交互に繰り返す子供もいます。わかっているけれども異常な食欲を制御できない背景には、親子関係や友達関係などの精神的なストレスが潜んでいることがあります。
原因となっているストレスを取り除くためには、カウンセリングを受けた方がよい場合もあります。